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がんは誰が治すのか~治癒のしくみと脳のはたらき~

★本日の金言豆★
ダニには目も耳も味覚もなく、皮膚の明度覚、嗅覚、温度覚を使って、動いたり血を吸ったりする。

2005年1月発売
 本書のタイトルからは、がん治療に関して、薬や外科手術とはまったく異なるアプローチから何か新しい治療法が発見されつつある、みたいな内容をちょっと期待してしまいますが、残念ながらそういう本ではありません。
 というより正直、全体的に結局何が言いたいのかちょっと伝わってこない感じ。

 まずは冒頭から出ました!健康食品プロポリス登場!この時点で胡散臭さと拒否反応を感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
 一応、古くから健康食品として効能を認められ使われ続けている、比較的まともな部類の健康食品ではありますが・・・それを服用することによりがんが治った!という患者さんのエピソードを次々披露していく内容は、少々偏りがある感が否めません。
 もちろん、紹介されるのは治った人の事例だけではないし、プロポリスは身体の自然治癒力を引き出すきっかけにすぎないという注釈つきではありますが・・・。

 同様に、未だその原因がはっきりしない故にやっかいな現代病の一つであるアトピー性皮膚炎の原因を、あたかも寄生虫や結核の治癒率上昇と相関関係があるかのように示唆している部分などは、その説自体何ら新規性がないだけにその偏りの露呈の最たるところ。

 末期がん患者への緩和ケアの重要性を説く一方で、それにより寛解した患者の例や、抗がん剤や外科的処置に頼る現代医療への批判を展開するくだりも、一面の真実は間違いなくあるもののそれを秩序立てて論理的に解説する姿勢に欠け、いささか感情論や先入観が先走っている感を受けます。

 そして中盤以降、話は脳や意識のしくみに及び、偽薬効果(プラシーボ反応)の有効性の検証へ。まあこのあたりまでは実際にその効果もある程度確かめられており、実用化されている部分もあるようですが、そこから話が量子論にとぶにいたってはトンデモ説に突入という感じ。
 がんを”身体の局所的病巣”としか捉えない現代医療の限界と、人間の肉体や精神が量子論的考え方で一元的なものである可能性、それに即せばプラシーボ効果などにより人間の自然治癒力を引き出し総合的な治癒が可能になる、おおむねそんなようなことを言いたいようですが、あえて量子論や超ひも理論まで持ち出す必要あったの?といいたくなるほどその書き方はぞんざいです。理論をぽーんとテーブルに放り投げてくる感じ。

 そもそも、量子論や超ひも理論はまだまだ机上論の段階で、ようやく実験による実証が徐々になされ始めたというレベルでしかなく、物理学界にはアインシュタインを初めとして量子論的考え方を真っ向から否定する向きもあるくらいの学問。それをがん治療や人間の身体の謎と結び付けて記述するなら、より実証的に踏み込んだデータなり研究なりの提示が最低限あってしかるべきですがそれもない。
完全に筆者の個人的、感覚的学説の披露でしかありません。

 そして終盤は”野口整体”やプロポリスなどによるオルターナティブ(代替)医療、がんといかに向きあって生きるべきか?といった自己啓発的な内容で締めます。
 本書はつまり、がん患者に向けた自己啓発書というべき書であって、冒頭述べたような新しい治療法云々は確かにオルターナティブ医療やプロポリス、プラシーボ反応など数々述べられてはいますが、あくまで自己啓発のための例示の域を出ていません。

 がんという未だに我々の生命をクリティカルに脅かす病気の治療法に関する書にしては、少々感覚的な記述が多すぎ、実証的データやその論理的検証という試みが足りないようです。
 逆に言えば、現代医療でも決め手となる治療法が確立していないのが現実で、それに替わる治療法として一縷の望みを持てる可能性は大いにあるわけですから、今後も医学的、臨床データ的により突っ込んだ研究と検証を重ねて、説得力と実績のある治療法として確立していただけることを是非望みたいですね。

●オススメ度●
★☆☆ 私は面白かったです(*`ー´)

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