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犯人に告ぐ

★本日の金言豆★
ベージュ臙脂色

2004年7月発売
 幼い子供ばかりを狙った卑劣な連続殺人事件。警察を嘲笑うかのように犯人は様々な手がかりやメッセージを残しつつ、一向に尻尾をつかませない。いわゆる”劇場型犯罪”の捜査に行き詰まった警察は、メディアを巻き込んだ”劇場型捜査”で犯人を逆に追い詰めることを計画する・・・。
 残念なことに子供の殺害事件が日常茶飯事のようになってしまった昨今、あながち他人事とは思えない犯罪と、その奇想天外な捜査方法を軸にした新感覚サスペンス小説。

 いわゆる”推理小説”というほど伏線張りや謎解きに重きを置いた作りではなく、登場人物達の織り成す悲喜こもごものドラマをハラハラドキドキしながら楽しむタイプのサスペンスものです。

 基本的には、主人公である巻島警視の挫折と復活と反省の物語。
 冒頭起こる誘拐事件で痛恨の大失策をした挙句、記者会見の席上でブチ切れてしまうという人生最大の屈辱にまみれることになる巻島が、時を経て新たに発生した連続児童誘拐殺害事件にいかにして立ち向かうか?
 かつて大失態を演じてしまったマスコミを今度は最大限利用しなければならない公開捜査という手法をいかに活用するのか?
 それははたして成功するのか?といったところが最大の見所。

 警察やマスコミ等大組織を巻き込む大掛かりな捜査を行う話のわりには、安物の推理小説にありがちな、やたらと登場人物が多数登場し読者を無駄に混乱させるというようなことはなく、登場人物は必要最小限に抑えられ、それぞれが印象に残る個性派揃い。こいつ誰だったっけ!?と迷ってしまうようなことはまずありません。

 刑事モノっぽい捜査、聞き込み、アクションといった動きのある派手なシーンがほとんどないのも異色なところ。中盤以降は、TV関係者とのやりとりや、犯人との文通(!?)、そして警察組織内での人間関係の駆け引きといった”静”の要素を中心にして物語は展開します。
 これが、今までにない”劇場型捜査”というプロットに見事にはまり、一味違った緊迫感を醸し出しています。

 容疑者すら特定できていない犯人をいかにして追い詰めるのか?
 TV局同士の視聴率争いが捜査に与える影響は?
 そして決して一枚岩とは言えない警察組織内における攻防の行方は!?等々、先の読めない展開の連続。

 あくまで推理小説ではないので、犯人は誰だ!?とどれだけ先読みしても徒労に終わることでしょう。
 本書の楽しみ方はそこではなく、”サディスト映画監督”メル・ギブソン主演映画「身代金」を髣髴とさせるメディアを使っての公開捜査の行方や、
 ”ヤングマン”という臆面もない異名を持ち、挫折から不屈の精神と鉄面皮を身につけて這い上がる主人公のリベンジのドラマにあります。
 そしてその結末は、あくまで公務を最優先する組織の中の自分と、子を持つ親としての自分との軋轢に悩み葛藤する姿を覆い隠し続けてきた主人公像が垣間見え、涙を誘います。

 まあ現実には、こういう公開捜査が実行されることはまずなさそうですが、極めて説得力ある描写でそれを描ききった意欲作。
 それを必要とするような凶悪事件が現実社会からは減ってくれることを祈りつつ・・・。

●オススメ度●
★★☆ よろしかったらどうぞ♪(^◇^)

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犯人に告ぐ
雫井脩介
双葉社

著者の作品

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犯人に告ぐ

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