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小児救急 「悲しみの家族たち」の物語

★本日の金言豆★
現状、医療法が義務付ける医師の当直勤務は、労働基準法上は違法で、法律上「労働時間」としてカウントされない。

2005年4月15日発売
 医療過誤などによる患者の死という類の事件は、あいかわらず後をたちません。
 本書は、医療の中でも特に様々な難題を抱えるジャンルの一つ、小児救急にスポットをあて、その実態を描いたドキュメンタリーです。

 全4章からなる構成で、まず1~3章それぞれ1例ずつ、小児救急医療に関係して命を落とした人々のドキュメントが語られます。  採算性の悪さと、それ故に部門自体が閉鎖されたり、なり手がいなくなることによって、小児医療関係者がどんどん激務にさらされるようになる悪循環に陥り、ついには自殺してしまう小児科医の話。
 症状が軽い段階で何度も医者の診察をうけていたのに明確な診断が下されず、あげく重篤な状態に陥った肝心なときに搬送先がみつからなくて、手遅れとなって死亡した子ども。
 同じく早い段階での医者の誤診、そして引継ぎ時の申し送りの不備により、適切な治療を受けることなく死亡した子ども。

 いずれも他人事ではなく、身につまされるとともに、特に患者の立場からすれば医者に対する怒りの感情しか湧いてこないような実態が赤裸々に綴られます。
 淡々とした文体ながら、情景がドラマチックに目に浮かぶ絶妙のバランスで記された文章が秀逸。ドキュメンタリーとしても読み物としても非常に読み応えがあります。

 そして本書の核心は最終章。上記3つのエピソードの登場人物である、亡くなった医者や患者の遺族の方々が、”小児救急をセンター化する”ことを目指す名小児科医のもとに一堂に会し、その思いのたけを語り合います。
 彼らは決して、今の医療制度や医学会を糾弾したいわけでも、医者を訴えたいわけでもない。医者と患者がともに協力し合って、二度と自分達と同じ思いをする人が出ないよう、誰でも万全の医療を受けられる体制を整えたい。
 それは、特に患者が死亡するような事件が続くと、医師の側からはなかなか言い出しづらいことでしょう。実際の遺族の方々が自らの言葉でそれを訴えることに意味があり、強烈な説得力を持ちます。

 ”多少自宅から遠くなっても、24時間誰でも完璧な医療を受けることができる施設をこそ望む”
 ”そのためなら、小児科の診察料は多少高くてもかまわない”
 説得力ある具体的な提言も飛び交い、実際具体的に実現に向けて動いている件もあるそうな。
 よりよい医療のあるべき姿とは何か?それは医者と患者、双方が全体的に、大局的に考え取り組んでいかなければならない問題なんですね。そしてそれは他の何事にも通じることのような気がします。

●オススメ度●
★★★ 絶対オススメ!(@^▽^@)ノ☆

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小児救急 「悲しみの家族たち」の物語
鈴木敦秋
講談社

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