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経済の世界勢力図
日本独自の通貨が国内に普及したのは江戸時代以降。それ以前は、宋銭など中国通貨も使っていた。
2005年5月27日発売
大蔵省で財務官を務め、現在は慶應義塾大学教授。その経歴と、為替や株といった経済に対する深い造詣から、「ミスター円」という、ハッスルのプロレスラーのような異名を持つ筆者が、今の世界や日本の経済状態を鋭く斬る一冊。
全7章構成で、まずは世界経済全体を俯瞰した後、
今後の日本にとっても最大の関心事であるアジア経済圏について、今なお発展著しい中国と、
日本ではまだ経済発展の有望国としては馴染みが薄いインドの二国をピックアップし、
今世紀最大の暴走覇権国家アメリカ、経済破綻の道を歩みつつあるわが国日本、日本の未来に望みをつなぐためにも連携が不可欠だとするアジア全域、最後に各個人の今後の生き方について、とたたみかけます。
どの章も、現状の問題点の分析を非常に分かりやすい文体で解説するとともに、必ず具体的な代案や解決策が大なり小なり提示されています。それらが非常に説得力があり、危機感を新たにさせられるのはもちろん、将来についての明確なビジョンも見えてくる感覚があります。
最も注目したい著者の主張は、下記2点
今後はインドが最も成長の見込める国であり、日本は連携をより高めるべき、
中国の元切り上げ・変動相場制への移行などにともなって、アジア全域で、EUのユーロのような新しい共通通貨「アシアナ」誕生の可能性。
これは非常に興味深い視点ですね。特に、一時期のブーム!?も完全に去った感のある中国進出に変わって、比較的反日感情も無く、急速な経済発展を見せているインドへの進出・連携というのは要チェックかも。さっそく取締役・島耕作も注目してましたし。
ただ、中国人よりも創造力に富むインド人、安易な付き合い方をすると足元をすくわれかねないですが・・・どういう形で連携すべきか、情報のやり取りをどこまでどうすべきか等、慎重に検討すべきでしょうね。
アジア共通通貨「アシアナ」は、その通貨価値のみならず、アジア全域で新しい安全保障体制が生まれる可能性も示唆しており、日本がアメリカの属州状態から抜け出すためにも非常に魅力あるものなんですが・・・実現はかなり難しいんじゃないでしょうか?
著者が記している、通貨統一にむけた下準備の歴史的背景があることや、さらに歴史を遡れば日本も外国通貨を流通させていた実績があることなどはそれなりに説得力がありますが・・・
中国や韓国、北朝鮮がああも反日を自国のアイデンティティにし続け、領土問題や誘拐事件をまともな司法の場で話そうとしない限り、日本人だって納得しないでしょう。
「大義の為には小事に目をつむれ」では、その場は上手くいくように見えても、結局相手にイニシアチブ握られて、統一後もいいようにされてしまうだけのような気がします。
まずは足元の未解決問題を、両国がまじめに話し合って解決しようとするプロセスを踏むことが絶対必要で、今は相手国がそれを拒否してる状態なんですから、彼らがある日急に改心して話し合いのテーブルにつく可能性の低さと、アジア通貨統一実現の可能性はイコールのような気がします。
とはいえ、本書ほど世界経済の分析のみならず、具体的で説得力のある建設的意見を分かりやすく解説した書は滅多にないのでは。今後の日本の元気を取り戻す為にも、是非おススメしたい良著です。
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