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失われたアイデンティティ

★本日の金言豆★
アッシリア人:紀元前2000年以上前、古代オリエントの地で遊牧民として暮らし、BC9世紀頃から大発展を遂げ、史上初めて世界中の国々を制覇したと言われる。

2005年6月24日発売
 いまの日本に元気がないのは、日本人がアイデンティティを喪失しているからだ!ならば、外国人である著者が日本の外から見た方が日本人のことは分かるから、教えてやろう!という書。

 まずこのコンセプトがどうなのか!?確かに、内側にいる間は見えなかった欠点や問題点が、一歩外へ出ると見えてくる、ということはままありますが、最初から外にいる外国人がそれを言うのは違うのでは・・・。

 著者が主張する日本人のルーツとは、つまるところこの2点。
1:日本人は古来から日本にいる単一民族ではなく、さまざまな国からいろんな民族が移り住んできた他民族国家である。
2:日本にはキリスト教は仏教より前に入ってきており、仏教も神道もすべてキリスト教の影響を受けている。

 この説が学術的に正しいのかどうか私は論じるつもりはありませんし、だいたい世界中のどんな学者にだって、本当はどうだったのか100%正しい答えは言えないでしょう。
 そんなことよりムカつくのは、日本人がそう認識することのどこが”日本人らしさ”を取り戻すことになるのか?ということ。

 要するに、「日本人も欧米人も先祖は同じだし、同じキリスト教徒なんだぜ~、だから元気だせよ!」というのが著者の言いたい事。白人世界に生まれ育った欧米人である著者には、それがいかに上から目線な”白人至上主義””キリスト教至上主義”に立脚した考え方か認識できないのでしょう。

 まあ実際本文を読んでいただければ、その主張の説得力の無さに反論する気力も失せます。仏教にはキリスト教をパクッたと思われる部分がこんなにある!って、何を今更・・・世界各国の宗教の類似性なんて、枚挙に暇がないでしょって。

 日本人のアイデンティティとはつまり、日本の伝統と歴史に根ざし受け継がれてきた「日本人としての物語」。それが戦後の経済至上主義の中で徹底的に破壊されてしまったのがアイデンティティ喪失の原因であって、必要なのは”物語の復活”。
 日本人の祖先はどっから来たとか、キリスト教はいつ伝わったとか、そんなのは歴史や物語ではなく単なる考古学。そんなのにこだわるのは自国に略奪の歴史物語しかない欧米人の発想。

 ボランティアの担い手として各国の被災現場を回り、救済活動にいそしむ著者の姿勢やその記述は見所。こういう名もないボランティアが実は世界を大なり小なり救っているんだろうなあと改めて考えさせられます。

 しかしその記述中、日本のお役人のお役所仕事ぶりを評し、いかにも無能で怠慢という書き方をしていますが、それも客観性に欠けるように思えます。確かに、神戸の震災の際の政府の防災活動の遅れがあったのは事実ですが、例えば現場の役場の人間が「けが人が出た!」という声が上がっても動こうとせず、通信手段などインフラの復旧を優先させていたということを、悪いことのように書いていたりします。全体的な視点で現場を処理する立場の人間が、いちいち現場へ飛び出していくことがはたして適切かどうか?現場主義な著者の熱意は分かりますが、大局的・客観的視点にはいささか欠けるようです。

 申し訳ないですがこの著者、我々伝統ある日本人のアイデンティティを語るのは2000年早いですね。

●オススメ度●
★☆☆ 私は面白かったです(*`ー´)

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失われたアイデンティティ
ケン・ジョセフ
光文社

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