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ごめん!

2005年7月15日発売
 人間には、公的(パブリック)な意識と私的(プライベート)な意識があります。
 タバコのポイ捨てや歩きタバコしちゃいけない、が公的な意識。自宅でちょいと一服するくらいならいいだろう、が私的な意識。
 出版物というメディアを通じて世に広く発信する内容は当然、不特定多数の読者に向けて公的な意識に則った上で、持論を展開すべきもの。
 ところがここに、今や世界的な著名人にもかかわらず、思いっきり私的な意識をそのまんま吐露しちゃってる人がいます。
 ご存知青色LED開発者の中村修二氏。
 自身の古巣である日亜科学との特許裁判で和解してからというもの、完全に国賊と化した中村氏が、その裁判の経緯を通じて、自分の主張の正当性を延々と訴える書。

 読後感を一言で言うなら”嫌悪”。青色LEDという今や日本を代表するすばらしい発明が、これほど私怨に凝り固まった人物の手によって発明されたことが残念に思えるほど。

 氏の主張は早い話が、何百億ももらえるはずだった金がその数百分の1の金額に減らされたことは間違っている。
 なぜなら、青色LEDの基礎特許はあくまで自分だけの功績だから。
 その根拠は、日亜科学の業務命令に逆らって、会社に虚偽の申請をして数億円の開発費を出させ、年収1千万を保証された身分のまま研究を続けた結果だから。

 普通の常識をもった人なら、上記の根拠を普通に聞けば「日亜科学って何て懐の広いいい会社なんだ!」って思うでしょう。当時は窒素ガリウムを使った青色LEDの開発は絶対不可能だと思われてたんですからね。普通ならクビですよ。
 ところがそれも氏に言わせれば、「そんな会社人間の常識が間違ってる!この日本は司法から会社組織からすべて腐ってる!だから優秀な人は日本を出るべきだ!」とこうなるわけです。

 業界では有名な話らしいですが、窒素ガリウムを使った青色LED実現の研究には実は別に先駆者がいまして、中村氏はその方の理論を参考に研究を進めた部分もある。(決して依存していたわけではないでしょうが)
 中村氏は日亜科学との権利関係については、本書の大部分を占める程の量の裁判資料までオープンにして「特許は自分のものだ!」としつこく主張していますが、上記の件については一切触れていないのもフェアとはいえません。

 確かに同情すべき点はあります。発明後の中村氏に対する日亜科学の対処の仕方は確かにまずすぎた。そもそも裁判自体、最初に理不尽な要求をした挙句に訴え出たのは日亜科学の方ですし。
 それに、この裁判のおかげで発明報奨制度に対する企業の関心度合いが大幅に改善されつつあるのも大きな功績でしょう。
 地裁と高裁で何百倍も金額の違う判決が出るのも確かにおかしい。司法制度に大きな問題があるのも事実。

 しかしそれらも、本書の私怨に満ち殺伐とした氏の私見の羅列の前には完全に相殺されます。日本社会や企業が抱える構造的問題に対する氏の意見も、あまりにも浅薄で表層的すぎ、読むに堪えない駄文。
 別にこれが、そのへんの知識人の本だったら全然いいんです。繰り返しになりますが、日本を代表する大発明の功労者がこういう私的な意見を平気で、出版物という公的なメディアを通じて堂々と言ってしまうことが残念でなりません。

というわけで本書は、当ブログ異例の下記評価とさせていただきました。

●オススメ度●
読んではいけない!(-_-メ

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ごめん!
中村修二
ダイヤモンド社

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