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環境リスク学 不安の海の羅針盤
日本のダイオキシン汚染源の大部分は、農薬
2004年9月発売
一般的と思われていた知識が、その後の検証の結果実は間違っていた、もしくは歪んで伝わっていた、ということはままあることです。
ダイオキシンは、古い焼却処理場でゴミが不完全燃焼したときに発生し、処理場の出す煙とともに周辺に撒き散らされる、だから処理場は最新の大規模なものじゃなきゃ危ない、近隣住民はダイオキシン被害にさらされている、というのが、私も含めた大多数の皆様の一般的知識ではないでしょうか。
実は、日本のダイオキシン汚染の主な原因は、特定禁止成分の入った農薬残留によるもので、ごみ処理場の出すダイオキシンの影響はそれに比べれば非常に小さい、という衝撃の事実が本書で語られます。知識の継続的な収集と蓄積の大切さを改めて痛感させられました。
何故焼却場悪玉説が一般知識のように思っていたか考えてみると、1990年代後半、ニュース等で一斉にやり玉にあげられてた時期があったことと(所沢の農作物の風評被害訴訟がその典型)、その後研究が進み、どうやらそうではないということが明らかになっても、そっちに関する報道はあまり目立って行われなかったからでしょうね。
TVや新聞なども、センセーショナルに報道するなら、その後にそれが覆ったような場合は(我々の生命に関わるような問題は特に)、最初と同程度の派手さで追報道をしてほしいものですが、それをやっても売れない、視聴率が取れないからやらないのかもしれませんから、積極的にそういう報道を求めない我々にも責任の一端はあるでしょう。
本書はその他にも、環境ホルモン(これは日本だけの呼称だそうです)、BSE(狂牛病)等、我々の生命に関わる大問題として大々的に報道されてきた環境問題について、その一般認識と現実とのずれを指摘し、どのように対処すべきかを、環境リスク学という考え方を通して分かりやすく解説していきます。
こうすれば日常生活における危険をさけられる!これとこれは食べちゃ駄目!健康の秘訣はこれ!という夢のようなノウハウ本ではありませんので念のため。そのような方法は現実にはありえず、自分自身(人間)だけでなく地域、地球環境全体と共存調和して生きていくにはどのように考え、対策を講じればいいのか、ということを、筆者自身の切実な体験談を交えながら解説する良著です。
●オススメ度●
★★★ 絶対オススメ!(@^▽^@)ノ☆
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環境リスク学 不安の海の羅針盤
著者:中西準子
日本評論社
著者の作品
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中西先生はダイオキシン問題に関する提訴でたいへんなようですね。
松井三郎京大大学院教授、中西準子氏を名誉毀損で提訴!
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/matsui-nakanishi-lawsuite01.html
2005年03月16日(水) HPで名誉棄損…環境ホルモン権威が提訴
http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/shakai/20050316/20050316i313-yol.html
ダイオキシン問題は終わってないというあたりでの提訴のようです。
なお、BSE問題については、中西さんは、公衆衛生と院内感染のリスクについてまで計算されておられますでしょうか?