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奇跡を起こした村のはなし

★本日の金言豆★
土石流:1967(昭和42)年8月28日、新潟県黒川村に平均470ミリを越す記録的大雨が降り注ぎ、大水害が発生。土石流が周辺集落を押し流し多数の犠牲者が出た。これ以後「土石流」という言葉が一般化し、辞書にも掲載されるようになる。

2005年3月発売
 なんだかんだ格好つけながら、実は私も含めて田舎モノが日本一大勢集まる街、それが東京をはじめとする大都市。かたや地方では、働き手となる若者が日雇い労働者としてどんどん都会へ吸収され、昔ながらの伝統産業の後継者不足が深刻な事態となっていることがニュースなどでも繰り返し報道されています。

 しかしぶっちゃけ、私も田舎モノの一人ですから言わせてもらえば、地方にいても働き口がそんなにないし、農業や林業といった産業も安い輸入品に押されっぱなしで需要が無さそうだし、かたや一歩都会に出れば、そこそこ仕事もあって日銭が稼げるんだから、しょうがないじゃん!?というのも本音。

 ところが、そんなのは単なる”田舎=過疎化が時代の流れ”的な先入観に捉われた貧困な発想にすぎず、実は努力とアイデア次第で地方村にいくらでも希少価値を見出すことができる、ということを自ら体現して見せた村が有る!
 本書はそんな文字通り「奇跡を起こした村」新潟県黒川村の歴史をドキュメンタリータッチで紹介する書。

 奇跡が”起きた”村、ではなく、奇跡を”起こした”村、というところがポイント。
 もともと奥深い山林に位置する貧しい村、ほうっておけば間違いなく深刻な過疎化が進んでいたであろう村が、村長伊藤孝二郎の強烈なリーダーシップのもと、村役場職人たちによる不眠不休の献身的な努力と、国家省庁からあの手この手と様々な形で助成金を引き出すアイデア作りで、自分達の地の利や特性を最大限に生かし、産業を繁栄させる手段を少しずつ作り上げていく。
 座して待っていたらたまたま奇跡的に人が戻ってきた、などという夢物語ではない、まるで村全体が一つの企業のような、でも決して民間企業のように利潤だけを追求するのではない、村も県外の観光客も、周辺の環境もすべてが繁栄できる手段と仕組みを構築していく姿。
 12期、48年間も村長を務め、絶大なるリーダーシップを発揮した伊藤村長のパーソナリティによるところも多分に大きく、一概に他の地域事例へ当てはめることはできないと思いますが、その考え方や努力の記録は一読の価値あり。

 ただ、本書の物語はただの「プロジェクトX」的な成功譚、感動のドラマでは終りません。
 本書のエピローグの最後の最後に語られる衝撃の事実。2005年夏、黒川村はとなりの中条町と合併し、「胎内市」となる。つまり現時点では既にそうなってるわけです。平成の大合併の荒波は、こんなところにも速やかに確実に押し寄せていたんですね。
 この事実だけ聞くと、「別に、市になったんならいいことじゃないの!?」と思われるかもしれませんが、日本中何処にも真似のできないオリジナリティと個性で勝負してきたこの村の歴史を読み解いた後に突きつけられるとかなりの衝撃です。はたして今、この村はどうなってるのか!?今は亡き伊藤村長の遺志を受け継ぎ、変わらぬ発展を遂げているのか、それとも全国一律の地方標準化の波に押し流されてしまいつつあるのか・・・請う続編!

●オススメ度●
★★★ 絶対オススメ!(@^▽^@)ノ☆

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