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国語教科書の思想
PISA:Program for International Student Assessment 生徒の国際学習到達度調査。経済協力開発機構(OECD)が、世界41カ国の15歳の子供たちに実施した国際的な学習到達度調査。
2005年10月4日発売
「国語」とは何を教える教科か?・・・何を今更!?という感じでしょう。
言葉のかきとり、文章の読解力、文章記述力・・・要は「日本語を教える教科」なんじゃないの?
ところが実はそれだけじゃない。国語の教科書に”定番の教材”として載ってる文章、「羅生門」「山月記」「こころ」「舞姫」などに共通することは、「エゴイズムはいけません」といういかにも道徳的メッセージを教えることができるところ。
そう、国語教育とは詰まるところ、道徳教育なのである。
目からウロコ的なこの分析から始まる書は、以降戦後の学校教育で行われる国語教育の実態を鋭く分析。
確かにそう言われてみれば、国語の教科書に載っていた「お話」って、どこか説教じみたような道徳的な文章に限られてましたね。
まあ別にそれが悪いことだとも思いませんけども・・・そうでなくても社会全体の道徳心、モラルの低下が著しい昨今、国語でも何でもいいから折りにつけ道徳教育をするのは悪くないんじゃないかと。
しかし著者いわく、それが受け手側に意識されない「見えない教育」として行われることが問題だと憤ります。またそこで行われる道徳は、権力者や支配者にとって都合の良い人間に育てるための教育でしかない、と、これまたお定まりの左翼的陰謀思想。
「羅生門」が定番教材として使われるのは、ちょうど新学期が始まってあわただしい時期がひと段落するころに、生徒も教師も一息つくためだ、等などせっかく教育問題についてなかなか多角的で面白い分析をしているのに、結局何でもかんでも行き着くところはお上の陰謀、みたいな話になっちゃうのが残念。
まあ確かに実際そうなのかもしれないですが、私に言わせれば、学校教育で社会に都合の良い人間に育てるため教材からいろいろ仕込んどこう、なんて高度な作戦考えて実行できるような政府なら、逆に立派なもんだと思いますねえ。
それが全然出来てないから、社会に無気力な無職が横行するし、「ゆとり教育」なんてものを朝令暮改で見直さなきゃならなくなったりするわけで。
今使われている教科書について、見出しからその傾向を分析したり、たとえば「クジラ問題」についても、かつて当たり前の漁業であり日本の文化の一つでもあった捕鯨を、いかにしてさも悪いものであるかのようなイメージを刷り込むような構成がなされているかを検証したりと、国語教育の分析資料としてはなかなかに読み応えのある書。
●オススメ度●
★☆☆ 私は面白かったです(*`ー´)
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国語教科書の思想
石原千秋
ちくま新書
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