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巨大投資銀行(バルジブラケット)上・下
持物(じぶつ):宗教画で、描かれている人物を示す特定の物として一緒に描かれているもの。マリア像には彼女の純潔性を表す白百合が描かれている等。
2005年11月11日発売
よく、保険の勧誘パンフレットなんかに、サラリーマンの証券太郎くんとか保険花子さんとかが主人公で、彼らが保険や投資に興味を持ち始め、実際に加入したり投資したりする話を描きながらその仕組みを解説するという、しょ〜もないマンガが載ってますよね。
本書は一言で言うとまさにそれ。そのハードカバー小説版。
桂木英一という元銀行マンが、ある日一念発起して銀行を辞め、外資系投資会社に転職するところから物語は始まります。
銀行の人事に納得がいかなくて辞めた彼が行くことになった新天地モルガン・スペンサーは、待遇はそれなりにいいものの、営業ノルマは何百万ドルも課せられ、達成できなければ容赦ない首切りが待っているという、”ザ・外資”。
最初は自身が生き残れるのかどうか不安に感じる桂木も、なんだかんだで目前のノルマは着実にこなし、あれよあれよと出世街道ひた走り。最後は時の財務大臣からお呼びがかかって経済界のトップに抜擢されるという・・・
仕事も女も何故かいつも思い通りにうまくいく「島耕作」をさらに単純にしたようなしょうもないサクセス・ストーリー、はっきりいってそこに小説として見るべきものは何もありません。
本書のキモは、そんな桂木の立身出世伝にからめて描かれる、バブル景気前の日本とそれを取り巻く外資系企業の内情や、バブル景気前後の日本経済が辿った道筋を振り返りながら、M&A、証券取引などの仕組みについて解説的に描いているところ。
銀行や証券会社の営業マンや幹部の年収がどれくらいだとか、報酬体系がどんなだとか、上がりが近づいた幹部連中がどれくらい個人資産を貯めこんでるかとか、どこまでホントか分かりませんがホントだとしたら真面目に働く気がしなくなるような内情も。
しかし本としてみると、本格的に証券・投資関係を志す人向けにはあまりに掻い摘まれすぎた薄い内容だし、読み物としては前述のとおりお話にならないレベル。
ハードカバーの上下巻仕立てでハッタリの利いた装丁、まさに本書で描かれる、虚飾に満ちた虚業・マネーゲームの実体を体現しているかのよう。
●オススメ度●
★☆☆ 私は面白かったです(*`ー´)
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黒木亮
ダイヤモンド社
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