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昭和ナショナリズムの諸相

★本日の金言豆★
陸パン問題:1934年10月1日、陸軍省新聞班が「国防の本義と其強化の提唱」というバンフレット16万部を頒布したが、この内容が「後に登場する国家総動員態勢の前奏曲」的なものだった為、「日本を震撼させたバンフレット」「ペンとインキの五・一五事件」などと呼ばれ大論争を巻き起こした。

1994年6月30日発売
 二つの意味で極めてハードルが高い書。
 一つは、タイトルからは想像もつかないほど内容的に専門性が高いこと。
 憲法改正論、米軍再編問題など、日本人が己のアイデンティティを見つめ直し、ナショナリズムの在り方を考えさせられる動きが国内外で活発な昨今、似たようなタイトルでそれを啓発する書は最近決してめずらしくない為、本書もその類で、昭和という時代を振り返ることによって新たに見えてくるものもあろうか、てな感じのものを想像するも・・・
 確かに大筋ではそうに違いないものの、なんというか、ナショナリズムを考える業界(!?)専門書みたいな感じ。
 例えば「大川周明が日本右翼陣営の大物であることは誰でも知っているが・・・」って、知らん知らん!誰やねん!?聞いたこともないそんな人!
 一時が万事こんな調子。昭和に活躍した代表的思想家達、のテイで様々な人物名とその思想、功績が例示されるものの、聞いたこともない人ばかり。
 私が不勉強なのは認めるとしても、普通に生活してて教科書や新聞などで目にしたことすらない人たちを「知ってて当然!」という前提で話をすすめる不親切さには辟易。

 そしてもう一つは、徹底した論文口調で貫かれたその文体の難解さ。
 およそ一般読者に対して、読みやすく、分かり易くしようという配慮はこれっぽっちも感じられない、突き放すようなというより、完全に自分の世界に入っちゃってるというべき書きっぷり。
 中には、古語文体をそのまま引用し、その訳文も解説もつけずにそのまま文章を進めるという暴挙も。
 論文集だからしょうがない、がんばって読むしかない、読める人しか相手にしない、とでも言いたいのか!?
 もしそうなら、書店に並ぶ一般書として発売せず、学術書として、ナショナリズムを考える業界の方々だけで楽しんでいただきたい。

 我慢して読み進めたところで、結局そこから何か思想的に突破口が開けるわけでも、新たな考察が記してあるわけでもない、何のリターンも得られない。著者の自己満足のためにのみ書かれたような書。

●オススメ度●
★☆☆ 私は面白かったです(*`ー´)

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昭和ナショナリズムの諸相
橋川文三
筒井清忠:編・解説
名古屋大学出版会

著者の作品


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テーマ : 読んだ本。 - ジャンル : 本・雑誌

COMMENTS

 トラックバックありがとうございます。
 『昭和ナショナリズムの諸相』、なかなかの酷評ですが、この本はもともと橋川文三(83年に死去)の論文を94年にまとめたものでして、収録されている論文は何十年も前に執筆されたものです。したがって、その当時の「常識」と今の常識との間には、かなりの違いがあることは否めず、そのことが上記のようなご感想を抱かせる要因になったのではないかとも思います。
 ちなみに、僕が考えるこの本の一番面白いところは、要するに戦前においては右翼も左翼も大差なかった、ということだと思います。共産主義者にしろ、2.26で決起した将校たちにせよ、当時の体制に対して強い不満を持っていたという点においては共通していたのであり、共産主義者になるか超国家主義者になるのかは紙一重の差でしかなかったわけです。そして、両者の運動の背景には大衆社会の出現という巨大な社会変動が存在していたというのが、この本のポイントではないでしょうか。
 この本のもう一つのポイントは、超国家主義者の思想のなかに、現実の国家を超える要素が存在していたという点でしょう。つまり、民族間の平等が達成された理想国家を構想するがゆえに、様々な差別の存在する現実の大日本帝国を批判する主張が存在していたということですね。たとえば、有名な民族主義者である中野正剛という人も、日本人の中国人や朝鮮人に対する差別意識を鋭く批判する書籍を出版しています。
 このような橋川の発想は、現代においても通じるものであり、ナショナリズムという現象が保守層ばかりでなく左翼の側にも生じうること(参考http://seutaro.exblog.jp/m2006-03-01/#4221529)、大衆社会化の進行により自己のアイデンティティを確立できなくなった層が国家との一体化を求めるようになる傾向が存在すること、国を愛するがゆえに現実の国家に存在する差別や排他的意識を批判する言説が生じうること、などなどでしょうか。
 長々とコメントしてしまい、申し訳ありませんでした。

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<学問>「学術論文」の難しさ

 こういうトラックバックをもらい、ふと考えることがあった。このトラックバック先では、『昭和ナショナリズムの諸相』という本に関して、次のように述べられている。私が不勉強なのは認めるとしても、普通に生活してて教科書や新聞などで目にしたことすらない人たちを「知
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