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クローバーフィールド/HAKAISHA

仕掛けは超一流

早い段階から予告編やWeb等で情報を思わせぶりに小出しにして興味をそそらせ、
公開日まで引っ張りに引っ張って、観てのお楽しみ~サプライズ!っていう手法。一時のM・ナイト・シャマラン監督を彷彿とさせます。
メディア多様化時代に合わせてますます巧みで多様になるこのマーケティング手法、制作サイドと広報サイドが早くから一丸となって作戦を練らないと出来ない高度な戦略ですから、それが実現できているのは関係スタッフの優秀さ、結束力の強さの証明。
しかし一方それは、自分で自分の映画のハードルをあげまくることに他ならない為、諸刃の剣でもあります。
その剣で自分がザックザク切られまくって、最近ちょっとご無沙汰気味になりつつあるインド人の例をみるまでもなく・・・
もっともシャマラン監督の場合は、映画そのものは非常に低予算で取るスタイルなので、評判はともかく採算はきちんととれてるんだそう。さすがはインド式暗算術!?

ところで本作の場合は、「特撮ブレアウィッチ・プロジェクト」とでもいうような、一見低予算っぽい作りにしているのですが、実はそれなりにきっちり予算をかけた上で”あえてそういう演出をする”手法であって、そこはシャマラン監督とはベクトルが似て非なるものです。
アメリカでは公開時にも大きな話題となり大ヒット、その後そんなに間を空けずにDVDがリリースされこれも記録的ヒットとなったそうですから、作戦は見事にハマり、文句無しの結果が出ているようですが・・・

正直、本作に、事前に期待したほどのサプライズが何かあるかというと、無いです。
シナリオ的には極めて単純な話。それこそ、昔は日本でもシリーズ化していっぱい撮ってたのと同じ。
それをあえてこういう演出で見せる、その目の付けどころの良さには感心するものの、奇想天外などんでん返しとか、手に汗握る緊迫のシナリオ展開とかは一切無し。

観終わってみると逆に、よくこれを、あんだけハードル上げまくってプロモーションする気になったなあと、制作陣のクソ度胸に感心してしまうほど。
今アメリカのTV界でも映画界でもヒットとばしまくってノリノリのエイブラムス監督ブランドだからこそできたビジネスなのでしょうけども。

観た目とは裏腹に緻密な作り
この映画は観た目とは裏腹に非常にきめ細かく、丁寧に作られているであろうことが観てとれます。
全編ハンディカメラによるドキュメンタリー風映像で、しかもそのほとんどが、カメラを持った主人公達が逃げ回って走り回っているシーンなのに、意外とそれほど観ていて気持ち悪くはならない。
額面通りに、カメラ持って走って撮っただけの映像をただ編集しただけでは、おそらくこうはいかないでしょう。
全編にわたって、演出上の観た目のラフさ加減と、映像によって受ける生理的な反応とのバランス調整を、デジタル技術も最大限駆使して慎重に行ってるんじゃないかと。

”HAKAISHA”の撮し方がまた絶妙です。
かなり早い段階で、なんとなく正体が推測できる程度にはチラ見せしておいて、あとはほとんど見せず、基本はあくまでカメラを持った登場人物視点のみ。
でも最後にはその全貌を大写しで見せる(為のシチュエーションを用意している)など、シナリオ的にも見せ場を緻密に計算して配分、職人技的なきめ細やかさが効いています。

何も語らない、解決しない
シナリオのあちこちに、謎というほどでもないですが細かいエピソードを未解決のまま残していくのも、シリーズ化を見据えた戦術の一環なのでしょう。
HAKAISHAは何者で、どこから、どうやって来たのか、
小さいのと大きいのはどういう違いがあるのか、
病気になったっぽい人は何でああなってどうなったのか、とか・・・
特にHAKAISHAの正体については、見事なくらい何一つ描かないまま終わっていますので、そういう引っ張られ方に我慢できない人にはとてもお勧めできないです。
もっともエイブラムス監督のファンのほとんどは、謎を引っ張り回されることにかけてはLOSTで散々鍛えられてますから・・・でも映画の場合は、次作があったとしても1シーズンどころか何年も待たされるわけですしね・・・やはりきついですね。

観客にはすべてが分かるように解説しながら、いかにそう見せずにシナリオを展開するか、また展開させたシナリオをラストにむけてどのように収束させていくか、に腐心するのが通常の映画の基本ですけども、あえて「何も解説しない」「何も収束させない」という選択をし、いい意味で見事な開き直りをみせています。過去にも同様の作品はあったでしょうけども、どメジャーなタイトルであえてそれをやってしまうアイデアと実行力が秀逸。




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テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

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